庭師さんの秋

寒い冬に備えて

紅葉の落ち葉

【神無月の庭仕事】

10月になると気温も下がって肌寒くなり、木の活動もおとなしくなります。 そのタイミングで植えつけるのは悪くない、むしろいい判断なので適した庭木ならバンバン植えたり移植しちゃいましょう。 10月に植えつけやすい庭木は、サツキ、モクセイ、モチノキ、ウツギ、マテバシイ、ウメモドキ、サザンカ、カルミア、レンギョウ、ヒイラギナンテンなどがあるので、これらの木に愛着を感じる人は10月を首を長くして待ちわびましょう。 伸びてきた生垣の刈り込みもやったほうがいいので、冬が到来する前に終わらすつもりで済ませてしまいましょう。 植え付けも刈り込みも素人が全部をやるのはたいへんかもしれないので、出来ることは自分でやって無理っぽいと思ったことは植木屋さんに任せましょう。 特に力仕事は大変でしょうし、歳を考えて無理はなさらぬようにしてください。

【霜月の庭仕事】

11月もほとんどの庭木は休息をする時期ですので、引き続き植え付けにちょうどいい月間として日本中の植木屋さんに知られています。 定期的に葉を失う落葉樹はこの頃にはすっかり枝だけになっており、まるで冬眠する動物のように目立った動きを見せなくなります。 この時期に植えつけたい草木はカエデ、オオムラサキ、クロマツ、ウメモドキ、ヒマラヤスギ、ウメ、サツキ、アカマツ、ドウダンツツジなどがあります。 寒い季節なので藁をグルグル巻いたり周囲を塀のような何かでガードして冷たさから守ってあげると、その木もきっと「助かった、これならあんまり寒くないですよ」とテレパシーを送ってくれるでしょう。 それ以外の用途ではめったに藁を利用しない人ばかりでしょうから、どこで入手すればいいのかわからないかもしれません。 樹木の防寒用に藁がほしい、それで優しく保護したいというのならお世話になっている植木屋さんに相談すれば万事解決します。

【師走の庭仕事】

もういつ雪が降ってもおかしくない、そんな寒さ厳しい12月は落ちるべき葉はすでに枝には残っておらず、寒々とした枝が見られるだけです。 周辺に散らばった落ち葉を片付けたらあとはほどんとやることもありませんが、この落ち葉の処理はしっかりやっておかなければなりません。 庭の片隅に落ち葉の山を作ったり木の根元にまとめてそのまま放置しておくと、その中が害虫の住みかになり後々大迷惑を被る未来が透けて見えます。 焼き芋を調理するのに使うか封印するために穴を掘ってそこへ閉じ込めてしまう、それができないのなら植木屋さんに引き取ってもらいましょう。 あとは害虫も卵の姿で木のあちこちに引っ付いているのを疑い、注意深く枝や幹をくまなく調べて発見されたら駆除してください。 卵をそのままにしておくとやがて孵化してわんさか害虫が発生してしまい、春や夏に大騒ぎするはめになってしまいます。