庭師さんの夏

猛暑や台風に備えた庭作業

満開の百日紅

【文月の庭仕事】

気温の上昇する7月は人間だけでなく植木にとってもつらい時期ですので、水をあげて乾いてしまわぬよう注意して下さい。 庭木に水を撒く技ですが、室内の鉢で育てている植物と同じ要領でやっている人もいらっしゃいますがこれはあまり良い方法ではありません。 根の深さが全く違うからで、毎日零れない程度に水を与えるよりも一気にドバッと集中的にやったほうが効果的なのです。 毎日のことだからと少ない水分しか一回で撒かない場合、水分は地表近くに留まって深い土までは届きません。 そうすると渇きを潤したい根っこは水分を吸収するため、上へと延びてしまいます。 これでは丈夫に育たないので、地中深くに根を張っていても安心して水分補給ができるように、回数は多くなくてもいいので大量に撒くのがコツなのです。 この程度のことならわざわざ植木屋さんに頼まなくてもひとりでできるでしょうから、週に1回くらいホースを手にして庭木に水を撒いてあげましょう。

【葉月の庭仕事】

8月は先月の7月以上に猛暑となるので植物は水気を求めて苦しんでいます。 少し油断しただけで枯れてしまうこともあるので、7月よりもたっぷりとお水をあげて瑞々しい葉っぱになるようにしてあげましょう。 「しばらく雨も降ってないな、今日も暑い1日になりそうだ」と思えるような朝は、新聞を読みながら朝食を済ませて食後のコーヒーを飲み終えたらさっそく庭へ出て、ジャンジャン水を撒きましょう。 尋常じゃない暑さの日は「水を撒く」なんて表現では足りないほど、土中に水を流し込む勢いでも構わないでしょう。 いつものようにホースで葉っぱを洗い流すように、全体に水をぶっ掛けるだけではなくホースを地面に置いてそのまましばらく水を流しっぱなしにして、地下1メートルの深さまで染み渡るんじゃないかと思えそうな位待ちましょう。 水溜りができて植木も「あれ、雨降ってる?」と勘違いしそうなほど水をあげても、8月の暑い日なら多すぎということにはなりません。

【長月の庭仕事】

カキ氷やセイロ、ウナギやソーメンを食べまくった8月が終われば次は9月が来る、これは子供でも大人でも知っていることです。 直接の植木のお世話自体はさほどありませんが9月にはあるものがやってきます。 それは西の方からやってくる、誰もが恐れる台風です。 台風が大暴れると大風が吹くので、根っこの浅い植木は危険にさらされます。 どっしりした大木ならビクともしないでしょうが、まだ若い草木は軒並みなぎ倒されてしまいかねないので台風が迫ってきたとニュースでやっていたら支柱で支えてやったり、守るためになんらかの防護策を講じてやりましょう。 無事にやり過ごせたら葉っぱに付いた土やゴミを洗い流すように、ホースで強めに四方八方から水を浴びせていきます。 中には倒れたり傾いてしまう庭木もあるでしょうが、そんな時は慌てず騒がず植木屋さんを呼んで処置してもらえば一安心です。